地方税 事業税 実際には各地でどのくらい違うのか?

3月は個人や個人事業主の確定申告の期間です。

すでに締め切りとなっていますが、申告の必要な方は手続きをお済でしょうか。

所得税金額が確定すると、追い打ちをかけるように地方税の金額確定の連絡がきます。

年4回に分けて支払いをしますが、その他固定資産税や自動車税も加えると、毎月何等かの税金を納めている印象です。

少しでも安くなるといいなとは思いますが、毎日の生活のためにきちんと使われることを願う気持ちの方が強いです。

地方税や事業税については、各市町村の管轄になります。

住んでいる地域でどのくらい差がでてくるのか調べてみました。

計算の基準となる年収による所得控除

個人も法人も所得額に応じて、所得税と同様に地方税の控除金額が決まります。

個人の地方税

地方税率として、都道府県民税の所得割は4%、市区町村税の所得割は6%が多く採用されていますが、県と市で率が逆になっている地域もあります。

両方合わせて10%が多く、10.5%の北海道夕張市が全国で一番高いです。

地方税の基礎控除は33万円(均一)

収入

金額

65万円

全額

162.5万円まで

65万円

180万円まで

収入x40%

350万円まで

収入x30%+18万円

660万円まで

収入x20%+54万円

1,000万円まで 

収入x10%+120万円

1,000万円以上

220万円

さらに、税額として差がつくのは、「均等割」の額です。

\5,000~\6,200と幅があります。

均等割額が一番高いのは横浜市ですが、所得割が10.025%となっていることから、合計すると地方税が一番高いのは夕張市です。

均等割の額には、各地の地方性が出て、特別名称で付加されている金額が含まれています。

例えば、「みやぎ環境税」「ながさき森林環境税」などが挙げられます。

*個人の源泉所得税は、サラリーマン所得に対しての税金です。

自分で立ち上げている法人から給与をもらっている場合は、個人の確定申告が必要になりますが、その点の説明は省略します。

個人事業主の事業税について

個人事業主には、1年間営業をしている場合、事業税がかかります。

事業税の税率は3%~5%です。

事業主控除⇒1年間営業していれば、一律290万円の控除があります。

事業税税率は、業種によって異なります。

  • 3%・・・あんま、マッサージ、指圧、はり・きゅうなど
  • 4%・・・畜産業、水産業、薪炭製造業
  • 5%・・・その他多くの業種

税率の計算式

(収入-必要経費-専従者給与など-各種控除)x税率=個人事業税

個人事業主の場合は、給与所得と事業所得を同時に確定申告できるので、個人の源泉徴収税額は計算する際に控除されます。

法人の地方税及び事業税について

個人+法人の場合には、人格が別扱いされるので、それぞれで所得税や地方税の計算がされます。

本来は、法人から給与をもらっている状態の場合には、個人として、2か所からの給与所得があるため確定申告をすることになります。

この事例については、この点は省略しています。

法人税の内訳は以下のようになります。

  • 法人税
  • 地方法人税
  • 道府県民税
  • 市町村民税
  • 事業税
  • 地方法人特別税

【例1】サラリーマン収入(600万円)+副業 個人事業主所得(240万円)

【例2】サラリーマン収入(600万円)+副業 個人事業主所得(360万円)

【例3】サラリーマン収入(600万円)+副業 個人事業主所得(1,000万円)

この3パターンをモデルケースとして、千葉県船橋市を例にして金額をだしてみました。

 


 税金の種類

所得税

地方税

合計

所得金額

 

個人

(源泉徴収税)

個人事業主

法人

個人事業主

法人

サラリーマン所得(600万円)

+副業所得(240万円)

 

\467,000

事業税  \0

 

\550、000

 

¥1,017,000

\204、000

 

\467,000

 

\609、000

¥1,280,000

サラリーマン所得(600万円)

+副業所得(360万円)

 

\714,000

事業税

\35,000

 

\670,000

 

¥1,419,000

\204、000

 

\714,000

 

¥878,000

¥1,796,000

サラリーマン所得(600万円)

+副業所得(1,000万円)

 

¥2,619,000

事業税

\355,000

 

¥1,310,000

 

¥4,284,000

\204、000

 

\1,678,000

 

¥2,716,800

¥4,598,000

まとめ

計算に参入しなかった点がありますが、副業として経費精算処理をしたのちの金額が1,000万近くにならないと、税金の面では逆転にならず、個人事業主である方がお得になります。

上記の表はあくまでも、副業は課税所得を基準にしています。

法人で給料を経費とすることは可能ですが、収益とバランスが取れない金額にすることは当然できないです。

それは個人事業主の専従者給与の額にも言えることでしょう。

上記を目安の一つとしていただければ嬉しく思います。