Amazon Lightsailでワードプレスを設置する方法

ワードプレスを設置する時に、「手軽に済ませたい」や「時短で複数作りたい」と思ったことはありませんか?

Amazon Lightsailを使うと、あっという間にワードプレスが作れます。

そこで、今回はAmazon Lightsailでワードプレスを設置する方法について解説していきます。

簡単にワードプレスが設置できる「Amazon Lightsail」

Amazon Lightsailって何?

Amazon Lightsailは、AWSの簡単に設定ができる仮想サーバーです。

AWSは機能が1つのサービスとして扱われている特徴がありますが、Amazon Lightsailの場合は必要とされる機能がまとめて扱われています。

そのため、複数のサービスを利用する手間を省くことができます。

Amazon Lightsailの魅力とは

魅力①:必要機能が揃っている

一つのサービスに複数の機能が備わっているAmazon Lightsailは、

  • ストレージ
  • スナップショット
  • ロードバランサー機能
  • ファイアウォール
  • DNS機能など

このような機能をまとめて契約できるため、必要な機能を手軽に利用することができます。

魅力②:コストの計算がしやすい

Amazon Lightsailは、月額固定料金のサービスです。

Amazon EC2のような従量制のサービスは、利用するごとに金額が異なるため、月々の請求金額に変動があります。

また、複数サービスの利用やアクセスの急増などによっても金額が異なり、コストが高くなってしまうこともあります。

その点、Amazon Lightsailは月の予算がハッキリとしており、月々の利用額の計算が行いやすいです。

魅力③:簡単にサーバー作成できる

簡単な操作で利用できるAmazon Lightsailは、用意されている機能から選んで利用するため、詳しい知識が無くても作ることができます。

実際に操作する設定も少ないのも魅力的で、作成したサーバーを簡単に複製することも可能です。

Amazon Lightsailの導入がオススメなケース

Amazon Lightsailの導入がオススメなケースは、こちらになります。

  • WordPress
  • 小規模での利用
  • 検証や開発環境など

簡単に導入できるのがAmazon Lightsailの魅力ですが、機能の組み合わせや自由度の低さといったデメリットもあります。

そのため、大規模での利用にはあまりオススメできません。

Amazon Lightsailの料金と性能

Linux/Unixの場合
料金 性能
3.50 USD 512 MB メモリ
1 コアプロセッサ
20 GB SSD ディスク
1 TB 転送*
5 USD 1 GB メモリ
1 コアプロセッサ
40 GB SSD ディスク
2 TB 転送*
10 USD 2 GB メモリ
1 コアプロセッサ
60 GB SSD ディスク
3 TB データ転送*
20 USD 4 GB メモリ
2 コアプロセッサ
80 GB SSD ディスク
4 TB データ転送*
40 USD 8 GB メモリ
2 コアプロセッサ
160 GB SSD ディスク
5 TB データ転送*
80 USD 16 GB メモリ
4 コアプロセッサ
320 GB SSD ディスク
6 TB データ転送*
160 USD 32 GB メモリ
8 コアプロセッサ
640 GB SSD ディスク
7 TB データ転送*
Windows
料金 性能
8 USD 512 MB メモリ
1 コアプロセッサ
30 GB SSD ディスク
1 TB 転送*
12 USD 1 GB メモリ
1 コアプロセッサ
40 GB SSD ディスク
2 TB 転送*
20 USD 2 GB メモリ
1 コアプロセッサ
60 GB SSD ディスク
3 TB データ転送*
40 USD 4 GB メモリ
2 コアプロセッサ
80 GB SSD ディスク
4 TB データ転送*
70 USD 8 GB メモリ
2 コアプロセッサ
160 GB SSD ディスク
5 TB データ転送*
120 USD 16 GB メモリ
4 コアプロセッサ
320 GB SSD ディスク
6 TB データ転送*
240 USD 32 GB メモリ
8 コアプロセッサ
640 GB SSD ディスク
7 TB データ転送*

このような料金となっています。

また、一番安いものを利用した場合、同じ内容でEC2インスタンスを借りるよりも安く利用でき、無料で利用できる通信量の幅も広いです。

Amazon LightsailでWordPressを構築する方法【準備編】

AWSのアカウントを作成する手順

AWSアカウントの作成をする

Eメールアドレス・パスワード・パスワードの確認・AWSアカウント名を入力する

連絡先情報を入力する

フルネーム・会社名・電話番号などの必要情報を入力する

支払い情報を入力する

支払いに使用するクレジットカードやデビットカードの情報を入力する

アカウント認証をする

SMSや日本語自動音声電話でアカウント認証を行う

サポートプランを選択する

無料のベーシックサポートプランを選択し、アカウント作成を完了する

Amazon LightsailでWordPressを構築する方法【設定編】

インスタンスを作成する

AWSマネジメントコンソールにアクセスする

AWSマネジメントコンソールを開き、検索枠に「Lightsail」と入力する。
入力後、検索枠下部に表示される候補からLightsailを押す。

日本語を選択する

初回アクセス時のみ言語選択が表示されるので、理解しやすい言語を選択する

インスタンスを作成する

「インスタンスの作成」を選択する。

インスタンスイメージを選択する

「インスタンスイメージの選択」にて、以下を選択する。

・プラッドフォームの選択:Linux/Unix
・設計図の選択:WordPress

インスタンスプランを選択する

今回は最も安い3.5USDを選択する

インスタンスの識別を入力する

判別しやすい名前を入力し、インスタンスの作成を選択する

インスタンスが実行中になるのを待つ

ホームに戻るとインスタンスのステータスが「保留中」になるため、「実行中」に変わるまで待機する

【保留中の場合】

【実行中の場合】

ネットワークを設定する

ネットワーキングを開く

ステータスが実行中になった状態でインスタンス名を選択し、「ネットワーキング」を開く

静的IPを作成する

「静的IPを作成する」を選択し、インスタンスへのアタッチに該当のインスタンスを選択する

静的パブリックIPアドレスの表示を確認する

作成を押し、静的IPアドレスが表示されれば完了です。

WordPressにログインする

SSHを使用して接続を選択する

ホーム画面からインスタンス名を選択し、接続にある「SSHを使用して接続」を選択する

パスワードを表示する

表示された画面に以下のコマンドを入力し、パスワードを表示する

$ cat bitnami_application_password

①表示されるコマンド画面

②コマンドの入力

③「ENTER」を押すとパスワードが表示される

パスワードをメモする

入力した文字列「cat bitnami_application_password」の次に表示された行の文字列がパスワードです。
今回は「YX●●●●●z」の部分が該当するので、メモ帳などに手入力で控えましょう。

管理者ページにアクセスする

ブラウザに「http://(静的IP)/wp-admin」を入力し、ログイン画面を開く

【静的IPの確認場所】
【パスワードの確認場所(メモしたもの)】

①検索枠に「http://(静的IP)/wp-admin」を入力

②「ENTER」を押すとログイン画面が表示される

 

ログインする

ログイン画面に以下項目を入力する

・ユーザ名:user
・パスワード:③でメモしたもの

パスワードは大文字と小文字や、数字の0とアルファベットのOなど、似ている文字に注意しましょう。

ダッシュボードが表示される

ログインに成功すると、ワードプレスのダッシュボードが表示されます。

言語を変更する

ワードプレスの管理画面を英語以外にする時は、設定で変更したい言語を選びましょう。

①「Setting」を押す
②「Site Language」を選択する

今回は日本語化するために、「日本語」を選択しています。

日本語テンプレートをする

今回は「cocoon」という日本語の無料テンプレートを追加しました。

こちらのような日本語サイトの完成です。

Amazon LightsailでWordPressを構築する方法【カスタマイズ編】

ワードプレスにログインができると、構築自体は完成となります。

ただ、構築したままの状態では、セキュリティ面などに不安が残ります。

そのため、構築後はある程度の設定を行っておきましょう。

ワードプレスのセキュリティ対策

独自ドメイン

独自ドメインの取得やSSL化を行うことで、セキュリティを高めることができます。

SSL化はデータ通信を暗号化する技術なので、早めに対処しておきましょう。

では、順番に解説していきます。

①独自ドメインを設定する手順
Lightsailを開く

AWSマネジメントコンソールの「Lightsail」を開きます。

DNSゾーンの作成を行う

ネットワーキングのタブ内にある「DNSゾーンの作成」を選択します。

独自ドメインを入力する

登録しているお名前.comなどの独自ドメインを入力します。

「DNSゾーンの作成」を選択する

画面下部にある「DNSゾーンの作成」を選択します。

レコードを追加する

「レコードの追加」を選択し、次のように入力します。

【入力する内容】

※ xxx.comの部分:取得した独自ドメイン
※ ●●●の部分:Lightsailの静的IPの識別名

【入力する場所】

Aレコード
サブドメイン 解決先
@xxx.com Staticlp-●●●
CNAMEレコード
サブドメイン マップ先
www.xxx.com xxx.com

ネームサーバーをメモする

画面下部にある「ネームサーバー」の4行をコピーしてメモしておきましょう。

お名前.comを開く

お名前.comのドメインを開き、「ネームサーバー」を選択する

「その他」を選択する

「2.ネームサーバーの選択」にある「その他」を選択する

ネームサーバーを入力する

メモしていた4つのネームサーバーを入力します。

「確認」を選択する

「確認」を押して、ネームサーバー情報を保存しましょう。

以上で独自ドメインへの変更作業が完了です。

②SSL化の設定手順
Lightsailの「SSHを使用して接続」を開く

Lightsailを開き、接続の「SSHを使用して接続」を開きます。

コマンドを実行する

次のコマンドを入力し、ENTERキーで実行します。

sudo /opt/bitnami/bncert-tool

このようにアップデートを求められたら、「Y」を入力し実行しましょう。

このように表示されればOKです。

質問に答えていく

次のように、質問の答えを入力していきます。

①Domain list[]: 独自ドメイン名(例xxx.com)
②The following domains were not included:(以下省略):「www.」を含む場合は「Y」
③Press[Enter]to continue:ENTERキーを押す
④Enable HTTP to HTTPS redirection[Y/n]:「Y」を押す
⑤Changes to perform:内容を確認する
 ・configure web server name toが独自ドメインになっているか
 ・Enable HTTP to HTTPS redirectionのリダイレクト内容があっているか

ちなみにですが、以下の画像の番号の部分の内容です。

⑤で内容を確認し、問題がなければ「Do you agree to these changes?[Y/n]」に「Y」と答えましょう。

すると、設定作業が開始されます。

設定中はサーバーが止まってしまうため、強制終了はせずにそのまま待ちましょう。

アドレスを入力する

「E-mail address」の問いが出たら、メールアドレスを入力します。

その後、「Do you agree to the Let’s Encrypt Subscriber Agreement? [Y/n]:」の問いに「Y」と答えて同意しましょう。

完了を確認する

設定が終わると「SUCCESS」と表示されます。

サイトを確認してみよう!

無事に設定を終えた後は、ターミナルを閉じて問題ありません。

次の2つの方法で、サイトの設定が出来ていることを確認しましょう。

①証明書の確認

サイトURL横のアイコンを押すと、「証明書」の確認が可能です。

②リダイレクトの確認

以下の4パターンで、同じhttps://のサイトが開ければ成功です。

http://サイトのドメイン
http://www.サイトのドメイン
https://サイトのドメイン
https://www.サイトのドメイン

以上でSSL化が完了となります。

ターミナルを使えば、SSL化も簡単に済ませられるので便利ですね。

ドメインを変更した際は、連携させているツールの情報も変更が必要です。

Googleサーチコンソールやアナリティクスなどの情報も変更するようにしましょう。

ユーザーの管理

新たにユーザー名やパスワードを用意して、新規ユーザーを作成しましょう。

初回ログインで使用したユーザーは削除することで、不正アクセス等の対策を行うことができます。

スパムコメント対策

スパムコメントとは、巡回ロボットやツールによって宣伝などのコメントを無差別に投稿することです。

大切なコメントの見逃しだけでなく、ブログの品質低下の原因にもなるのでスパムコメントの対策は大切です。

アクセス制限

ワードプレスのインストールを行う上で重要なファイルの一つである「wp-config.php」は、データベース接続情報などが記載されています。

そのため、セキュリティ対策として「wp-config.php」へのアクセス不可にする設定を行うことがオススメです。

prefixの変更

WordPressのprefix(プレフィックス)は、データベースのテーブルにある電話番号の市外局番のようなものです。

デフォルトのWordPressのテーブルを見ると、「wp_●●●●●」のような表記になっています。

この「wp_」の部分がprefixです。

prefixをそのままにしておくと、テーブル名が容易に特定できるため、ハッキングされるリスクが高まります。

また、同データベース内にワードプレスを複数導入しようとすると、同じprefixとなり上手くいかなくなってしまうため、prefixの変更が必要になります。

テーマやプラグインのアップデート

ワードプレスに追加したテーマやプラグインは、最新版へアップデートを行いましょう。

古いものを使用しているとセキュリティ面のリスクが高まります。

バックアップ対策

ワードプレスを運営する時は、もしものために定期的なバックアップを行いましょう。

BackWPupなどを使用すると、簡単にバックアップが行えます。

AWSのセキュリティ対策

Amazon LightsailはAWSに関連するサービスなので、AWSのセキュリティ対策も行いましょう。

AWSにはセキュリティのガイドラインが用意されているので、内容を確認しておきましょう。

セキュリティのガイドライン

まとめ

Amazon Lightsailを利用すると、時間を節約しながら簡単にワードプレスを構築することができます。

手軽にできる方法を活用して、効率よくワードプレスを運営していきましょう。