表計算ソフトといえばマイクロソフト社のExcelが有名ですが、中には無料で使える表計算ソフトがあります。
それがExcel Onlineや、Googleスプレッドシートです。
これらはGoogle ChromeやEdgeなどのブラウザ上で動くソフトなので、インターネット環境がある場所でしか使うことができません。
ただし、インターネット環境とアカウントさえ準備できれば、無料でどの端末(パソコン・スマートフォン)でも使えるというのが最大のメリットではないでしょうか。
それでは、今回はExcel OnlineとGoogleスプレッドシートの違いについて説明していきたいと思います。
Excel Onlineについて
Excel Onlineとは、その名の通りのExcelのオンラインバージョンです。
マイクロソフトのアカウントを作成すれば、誰でも無料で使える表計算ソフトです。
有料版(Office365やOffice2019のような)とは異なり、いくつかの機能が利用できません。
マイクロソフトとしては、閲覧用・デモ版といった位置づけで考えているのではないでしょうか。
具体的に利用できないものは以下の通りです。
マクロ(VBA)が使えない
マクロやVBAは、一切実行や編集はできません。
ただし、関数(SUMやCOUNT等)は、問題なく動作します。
CSVファイルの編集ができない
.csvで保存されているファイルは、開くことができません。
ショートカットキーが利用できない
ブラウザを利用しているので、Windows固有のショートカットキーしか使えません
コピーペーストなどのものは使えますが、CTRL+マウスホイールで表示の拡大・縮小などは使えません。
このような機能を使っている人は要注意
このような機能を使っている人は要注意です。
図やグラフの一部が使えない
クリップボードの利用ができず、画像のトリミングや文字追加等の画像編集はできません。
グラフの数もデスクトップ版と比べると、数が少なくなっています。
単純なグラフであれば問題ない程度です。
保存場所がOneDriveのみ
OneDriveというマイクロソフトが提供しているオンラインストレージサービスにのみ、保存することができます。
デスクトップ等にあるファイルを保存したり、開いたりすることができません。
普段からOneDriveを利用している人ではあれば特に問題ありませんし、一度OneDriveに保存したあとに、好きな場所に移動することは可能です。
任意のタイミングで保存できない
常に自動で保存されるので、任意のタイミングで保存することはできません。
なので、タイミングによっては今の編集全てなし!という意味合いで終了することができません。
このような制限があります。
Excel Online版は簡単な資料の確認・ちょっとした修正程度を行うのに向いているといえるでしょう。
無料版といえどもExcelなので、有料版で作成したExcelとの互換性が良いので、第三者に資料を送るときや出先でちょっとした修正をしたい時、
スマートフォンで資料の確認をしたい…といったような、シーンで活躍できるかと思います。
全体的に有料版のExcelの補助的な立ち位置にあるのではないでしょうか。
Googleスプレッドシートについて
続いて、Googleスプレッドシートについてです。
こちらは、Googleのアカウントを利用して使うことができる表計算ソフトです。
有料版のExcelで行えることはだいたいできるようになっていますが、印刷設定やフォント等はそこまで豊富ではありません。
しかし、Googleのサービスと連携させると非常に便利になります。
例えば、Gmailやカレンダー、フォームやアナリティクスと連携させることにより情報を送信したり、集計したりといったことができるようになります。
また変わったところで言えば、Google Homeと連携させて、声で服薬等の記録をつけたりすることも可能です。
ここでは、Googleスプレッドシートの特徴を上げていきたいと思います。
マクロが一部使える
作業を記録して、マクロやExcel VBAのようにスクリプトを書くことができます。
使い心地としては、Excel VBAとあまり変わらないのではないでしょうか。
CSVファイルが扱える
.csv形式のファイルを開いたり、保存したりすることが可能です。
共有設定が豊富
ユーザーごとのアクセス権を、細かく設定することが可能です。
編集の可否だけでなく、アクセス権自体を変更できるかどうが、ダウンロードできるかどうかなどのセキュリティ面についても強化することができます。
保存場所はGoogleドライブのみ
GoogleドライブというGoogleが提供しているオンラインストレージサービスにのみ、保存することができます。
デスクトップ等にあるファイルを保存したり、開いたりすることができません。
普段からGoogleドライブを利用している人ではあれば特に問題ありませんし、一度Googleドライブに保存したあとに、好きな場所に移動することは可能です。
任意のタイミングで保存できない
常に自動で保存されるので、任意のタイミングで保存することはできません。
なので、タイミングによっては今の編集全てなし!という意味合いで終了することができません。
図の編集ができる
クリップボードを利用して図を貼り付けたり、図の形を変えたり(トリミング)や文字入れ等の画像編集が可能です。
また、グラフ作成等も行えます。
Excelファイルとの互換性は少々悪い
Googleスプレッドシートで作成したものをExcelで開いたり、また逆にExcelで作成したものをGoogleスプレッドシートで開いたりした場合、表示が一部崩れる場合があります。
具体的には、セル幅やフォントが変わり、グラフの位置等がずれる場合が多いようです。
あまり見た目の関係ない資料であれば問題ありませんが、凝った作りのものだと修正作業が大変になるかもしれません。
Googleスプレッドシートは豊富な機能を持っているので、このソフト1つで通常スプレッドシートで行うようなことは一通りすることができるのではないでしょうか。
一部印刷機能等は有料のソフトに負けますが、インターネット上で資料をやり取りする分には何も問題ありません。
Excel OnlineとGoogleスプレッドシート、どちらが良いの?
最後に今までご説明してきた2つのソフトについて、どちらが良いのかについてです。
どちらのソフトも表計算ソフトとして十分な機能を持っています。
どのような人がどのソフトがおすすめなのか、という観点でお話しますと以下のようになるのではないでしょうか。
Excel Onlineが良いケース
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Googleスプレッドシートが良いケース
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もっとざっくり言ってしまえば、閲覧用のExcel Online、作成用のGoogleスプレッドシートでしょうか。
どうしてもExcel OnlineとGoogleスプレッドシートを比較すると機能の差が出てきますが、Excel Onlineは有料版のExcelのデモ的な意味合いと思えば合点がつくかと思います。
もちろん、普段Excelに慣れている人がちょっとした資料を作るのであればExcel Onlineの方が慣れた動作で作成することができるかと思います。
どちらもアカウントを作れば無料で利用できますので、ぜひ操作感を試してみてください。