暗号通貨(仮想通貨)への投資ってどうなの?失敗とリスクについて

仮想通貨の詐欺まがい商法

最近問題になってきている仮想通貨詐欺の実態について、出資法や金融商品取引法の観点から見てどうなのかを考えてみます。※法律家ではありませんので法律的な解釈の間違いがありましたらご指摘頂ければ幸いです。正式には暗号通貨と言うようですが、仮想通貨の方が知名度があるし、仮想は仮想って言うことに間違いないので仮想通貨と呼ばせて頂きます。

詐欺まがいの手口

新たに仮想通貨を発行する、上場前の今買えば、爆発的に値上がりし儲かるというような甘い話持ちかけ、その仮想通貨を上場前に買わせ資金を集める手口をMLM※で展開している業者が横行しています。

株で言うと、未公開株を今ならお安く購入できますよ!って言う系の話です。

最近で言うと、フィリピン政府が噛んでますって事をアピールした、ノ○コインが詐欺じゃないかと言う話が出て来ています。

仮想通貨詐欺の背景

今でも「モノ」としての認知が広い仮想通貨ですが、2016年5月に資金決済法が改正され、仮想通貨が「財産的価値」を見出せるものとして認可されました。

2017年の春頃には施行されると思われるこの法案ですが、詐欺サイトや詐欺の記事を読むと、そのほとんどがこの件に触れていません。

また、既にその詐欺師に投機してしまった人がどのような目的でお金を出したかにも、取り締まるのが容易ではなくなっている原因があるのではないかと思います。
 
 相場によって価格が時価で決定される為、儲けるために株価が上がる(不確定な説明)のを待たされるので、必然的に被害届の提出も遅れます。

仮想通貨上場も同様で、上場はしているから後は値上がりを待つだけです的な感じの展開が予想されます。
 
待たされる間は騙されていると気づかないどころか、さらなる出資に応じてしまう可能性があるため注意が必要です。

実際、この辺は何十年後に値上がりするかもしれないので、まったく嘘かって言うと検証が難しい話になってきます。

ただ、株式に例えると一般的に上場した時に爆発的に価値が上がります。

ですので、上場した瞬間に価値が爆発的に上がらない場合は諦めた方が良いのではないかと僕は思います。

それに上場したからと言って、その価値を誰が担保するかという事も重要です。

例えば僕が仮想通貨を発行して、このオレ通貨は1000万円分の価値があるんだけど、君は友達だから特別に500万円の日本円と交換してあげるよ。

って言った所で嬉しいですか?って所です。

実際にオレ通貨は1000万円分の価値があって、オレシティやオレモールでは1000万円分の買い物が出来るのかもしれませんが、オレシティやオレモールに1円の石ころしか売ってなかったら、1000万あっても買うもんないです。

使い道のない、リクルートの用途限定ポイントみたいなもんです。

あんなもん、1000万ポイントあった所で嬉しくもなんともありません。

でも、1円の石ころを1000万円分買える事は事実なんで、価値はありますよって話も通らない話ではないです。

結局、通貨の価値なんて信用なんでそんなもんでしかないんです。

上場してもオレシティやオレモールでしか使えないかもしれません。

そんな状況で、無名の通貨に投資できるか?って話になってきます。

また、MLM方式でネズミ講まがいに加担する形で出資者を募ってしまった場合、自身も犯罪者との共犯の容疑がかかってしまい、損害賠償を求められる立場になりえることから自ら警察に行くとは考えにくいため、詐欺師が騙すことに適した環境を作ってしまっているということもあります。

出資法・金融商品取引法からの観点と対処法

当然仮想通貨を買わせてそのまま相手が発行せずに逃げた場合、詐欺罪が適用されますが、出資法では「元本を保証した出資の受け入れ」は禁止されています。

どのようなことかというと、「絶対に元が取れる」というような謳い文句をしてお金を預けるのはダメだということです。

最近、絶対に元が取れるって言う言葉使う事はほぼなく、最後には自己責任でって言う文言を付け加えている事が殆どです。

詐欺罪では10年以下の懲役、出資法違反はどの条文に違反するかで罰が変わりますが、例えば高金利の場合(出資法5条)は、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはこれを併科する。

 とあります。どんな手口でやられるかによってだいぶ違うので、もしもの時があれば弁護士等に相談しましょう。

また金融商品取引法に則って話をすると、まず株券などの有価証券※の募集または売出しを行う者は、有価証券届出書を内閣総理大臣に提出することが要求されます。

そして、有価証券届出書の効力は、内閣総理大臣が受理した日から15日を経過した日に効力が生じることになります。

この期間中に審査が行われ、この期間を待機期間と呼ばれています。

この有価証券届出書は提出と同時に公衆縦覧に差し出されることになります。

また、有価証券を募集、売出しによって取得させるためには、あらかじめまたは同時に目論見書※を投資家に交付しなければならないとされています。

と、有価証券の場合は、結構、厳しく審査が入るロジックになっているのですが、今の所、仮想通貨上場に関しては、金融商品取引法が適用されないようです。

ですので、仮想通貨の上場については、未公開株詐欺のような物がやりたい放題の状況となっているのが実情のようです。

まとめ

仮想通貨は実態が無く、人として認知がしにくい物の為、投資を行うには慎重になった方が良いでしょう。

見えない物ほど難しい物はありません。

確かに夢のある話で乗りたくなる気持ちはわかりますし、僕も実際に夢に乗っています。

しかし、投資したお金は無くなっても良いやって言う気持ちで割り切れないのであれば、上場前投資は絶対にやってはダメだと思います。

興味のある方は、色々な上場話がありますので、少しずつ分散投資させるのが良いでしょう。

投資の基本は分散投資です。

 

※MLMとは

マルチレベルマーケティング(Mulch Level Marketing)の略で、商品の購入者を「販売員(ディストリビューター)」として起用し、その販売員は、さらに別の人を販売員として起用することができます。

※有価証券とは

有価証券とは、株式・債券・手形・小切手などを指します。有価証券はそれ自体に財産的価値を持ちます。

※目論見書とは

目論見書は有価証券の募集または売出しのために、その相手方に提供する文書で、有価証券の発行者の事業その他の事項に関する説明を記載したものです(金融商品取引法第2条第10項)。